05 12月

ナッツ物語

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どの犬でも少なくともひとつは「この子だからこそ持ち合わせる」
という長所が存在する事実。
犬を身近な存在として生きてきた私のもつ持論です。

ナッツ君を紹介するにあたり、条件が気になる方は後々に記載してある
内容を穴があく程吟味して頂ければと思います。
生活条件と犬の条件が合うこともご縁の上に欠かせない要素です。

私は条件とは別の側面からしか知り得ないナッツ君について書かせて頂きます。

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まずは紹介をするにあたり、ナッツ君と私が出会った当時のエピソードを書かずして物語への理解は始まらないだろうという思いから、一匹と一人の間で起こった出来事から書き始めることにします。

預かり親として、ナッツ君を引き受ける選択を迫られた私は、条件に目を通した時点で一時ではなく終生の飼い主になる可能性があるだろうと察して、手元に置くことを決断するのに数日を必要としました。
迷ったあげく、カード占いまでしたことを書けば、どれほど躊躇していたか察して頂けるかと。

数日悩む自分を決断させた理由はさまざまにありますが、結論は手元に置くということに。

 『自分の決断に、自分の選択として責任を持つ。』

この一言を宣言したところから、彼の持っていたギフトをすぐに受け取り始めたことには驚くばかりです。

ナッツ君は2つの家庭で愛犬となり、我が家を含めると2人の預かり親の元で暮らし、スナフキンな人生を余儀なくされた、あえて書くなら「安住を持てない犬」の不幸なレッテルを貼れるはずです。

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でも、彼のことを私は「サンタクロース」と呼ぶことにしました。

なぜなら、身を寄せる家庭にプレゼントを持ってやってくるからです。
プレゼントは相手に合せ、チャンスであったり、気付きであったり、
友情であったり、
一言でも言い表せなければ、受け取った相手にしか感じ得ない見えないプレゼントです。

預かった当時、私は物事がスムーズに進まず、自分の進路に迷うことが幾つかありました。
自分のことへ迷いがある時、新しく責任を負うのはいかがなものか?と感じていたのを吹き飛ばしたのがナッツ君、その彼だったのです。

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もし、彼の紹介文を読み、理由なくドキドキしたり、心に湧くものがあった方。
それはすなわち、彼の家族になっていくという最初の誘いかけなのかもしれません。

彼の年齢、病歴、性格(経歴)を条件から見たなら躊躇する箇所は多いです。
正直私も愛犬とするなら、条件だけを参考にしたら会おうと決めないかもしれません。

心に何かを感じた方へお願いしたいのは、自分の心が感じた気持ちが何なのかナッツ君に会いにきて確かめて欲しいということです。

彼は、条件にも正直に書きましたが「人を噛んだ経験があります」。
その理由を聞いて欲しいのです。
彼はやみくもに噛む犬ではありませんでした、彼なりに選んで行ったことでした。
*トレーニングとリハビリによって現在は改善されています。

彼はフィラリア症陽性(+)です。
その理由も聞いて欲しいのです。
心と体は必ず繋がって双方に情報交換しています。
フィラリア症との関係がナッツ君のこころの何処とつながっているかに耳を傾けて欲しいのです。
過去の出来事と彼の思いを知るには、ここを聞かずに判断できないと感じます。

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ナッツ君は人が大好きです。
人の役に立てることに心底満足を感じる犬で、ひとの心に寄り添うため
に持ち合わせた洞察力は、
他の犬と比べても抜群です。
私は彼と生活していて、彼の男気は一括して一本筋が通っていること、
いつも人ありきで自分があることを肌で感じるたび、その想いを私にも
惜しみなく向けてくれていることに感謝ばかりです。

芯の部分で譲らない、彼の持つ想いの基盤は愛そのものだからです。

サンタクロースと聞いて誤解しないように付け足すのなら、ラッキーを起こす犬という意味ではなく、恐れではなく愛をいつなんどきも選び続けられる犬か?ということが相手にプレゼントとなって渡るということです。

人から見て一見「かわいそう」と結論づける経緯がたくさんあった犬が、一切に傷つくこと無くこれまで生きてきたわけではありません。

裏切られること、別れることを余儀なくされた犬が愛を持ち続け、再び人間を信じることを続けることができたこと、それこそが私には奇跡に見えました。

彼の、人を信頼しようとするチカラが、心の強さが、私はサンタクロースの所以だと感じます。

サンタクロースは、出会った時から今も私へ豊かさを与えてくれています。
犬から感じるという面ではなく、仕事としての知識や経験としてではなく、すべてが上手くいってしまっているのです。
その話を聞いたボンガーのスタッフは、
何かあると「ナッツ君に頼みましょう(笑)」と。

今では冗談で神頼み先に抜擢されるほどです。

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全ての飼い主さま、全ての愛犬の間には、ペアを組むことになった絆が出会いの前に用意されて、知り合っていると感じます。
偶然はひとつもないのだな~と。

サンタクロースをしてきたナッツ君には、ぜひとも今回に限っては新しい家族(安心)というプレゼントを受け取る側になって欲しいなと思っています。
会ってみてからしか今書いているお話を読んでいる方に感じて頂くことはできません。
ただ、ハートが呼ぶのを感じる方が、この文章との出会いをきっかけにあったなら、ぜひお声かけ頂けたら嬉しく思います。

同情からではなく、自分が犬との間で持ちたい何かがあるからこそ自分のためにご縁を選んで欲しいと思います。
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そして、最後に…
このお話を読んだ後にもう一度改めて条件に目を通して頂けたらとお願いしたいと思います。

 

澤田朱かねのブログ「犬とダンスを踊るまで
2014年12月4日の記事より抜粋